Black Forest Labs の flux-action は、ロボット(DROID、SO-101)、シミュレータ、ゲームで行動予測を学習・ファインチューニングして実行するオープンウェイトの 7B ワールドアクションモデルである。2026-11-02 のコミット 89ad4b6(PR #9)が「コミット済みプレフィックスのリアルタイムチャンクング(real-time chunking)」を追加した。ロボットにすでに送信されたコマンドを接頭区間として固定し、そのあとの区間のみを新たに予測する。
新しい設定は二つある。rtc_max_prefix は学習時に窓ごとに接頭区間の長さ P を [0, rtc_max_prefix] から抽出し、先頭の P 個のアクショントークンには timestep 0 の正解の目標値を入れるが、損失は計算しない。残りのトークンは P によって重みが変わらないように再重み付けされる。推論時に predict_action_chunk が committed_actions を受け取ると、すべてのデノイジングステップでそのコマンドを先頭 P 個のトークンに固定してそのまま返す。select_action はキューに rtc_overlap 個のコマンドが残っている間に次の区間を予測し、その区間の先頭としてコミットするので、連続する区間が途切れずに継ぎ目が连接的。docs/setup.md には、残りのコマンドが P 個になった時点でバックグラウンドスレッドで次の予測を開始する制御ループの説明が追記され、テストは tests/test_rtc.py として追加された。
限界は明確である。この機能は absolute と joint_relative のアクションパラメータ化でのみ動作し、joint_delta は設定段階で拒否される。prepare_inference() を使う参考パスでは利用できない。P はレイテンシ×制御周波数をカバーする必要があるため、30 Hz で 250 ms のレイテンシなら 8 コマンド、つまり 10 程度が必要であり、ロボット上のコンピュータで最遅の予測を実測して決める必要がある。ドキュメントには、コンパイルと蒸留を適用した状態で RTX 5090 で約 140 ms を測定したと記載があり、最適化されたデプロイ用チェックポイントを要求するよう案内している。ただし、このコミットには性能比較や統計はなく、二つの設定値のデフォルトが 0 であるため従来の動作は変わらない。レイテンシによる停止がどれだけ減るかは別途の実測なしに判断するには早いため、まず実際の制御周期とレイテンシを実測すべきである。