usbarmory/eggshell は、汎用 OS を介さずに Linux 実行ファイルを動かすことを試みる Go ベースのユニカーネルです。FACTS には公開リリース版が示されておらず、本稿は特定バージョンの変更点ではなくリポジトリそのものを扱います。README はこのプロジェクトを初期段階の実験と説明しています。TamaGo の上で Linux ABI を実装し、静的にリンクされた実行ファイルと musl を使用する動的リンクの実行ファイルを動かすことを狙っています。
Linux ABI はプログラムと OS の間の呼び出し規約です。eggshell では Go ランタイムがカーネルの役割を担い、プログラムのシステムコールを Linux の規約に従って処理します。ユーザープログラムはハードウェア分離された非特権領域で実行されます。システムコールのほかに、プロセスとシグナル、仮想ファイルシステム、端末、パイプ、ソケットを提供します。README によれば、ビルドと実行には QEMU のマイクロ仮想マシンを使います。したがって中核は、Go 実行環境で Linux プログラムを受け入れるために OS 機能を実装することにあります。
ただし、README が示している段階は初期の実験です。実際の利用条件を判断するためのライセンス情報は、FACTS では NOASSERTION とされています。したがって、説明した実行方式と機能は、整備されつつある実験の範囲として読むべきであり、安定して利用できる範囲は与えられた情報だけでは確認できません。