helldez/bigmoeonedge は 2026-11-06 に 0.40.1 を公開した。RAM より大きい MoE(Mixture of Experts、各トークンごとに一部の expert のみを計算してコストを削減する構造)モデルを llama.cpp の上で動かすことを目指すプロジェクトで、リポジトリの説明では 12 GB 級のスマートフォンでも frontier 級の MoE を損失なく実行できると述べている。今回のコミットは同梱 llama.cpp サブモジュールを上流タグ v0.9.0(2026-11-04、cd959ba)へ更新し、2026-10-28 の基準点 8ca4060 から 164 個のコミットを追い上げた。フォークブランチ bmoe/expert-ready-hook-0411 は expert-ready-hook のコミット 1 件のみをそのタグへ競合なくマージした。
CHANGELOG の記録によると、v0.9.0 が持ち込んだのは新しいアーキテクチャサポートとテンソル型 쪽である。新しく対応するアーキテクチャとして Clover-35B-A3B、Mistral Large 4、Metis-1.6、DeepSeek V4.1 Flash、LFM3 系、Nemotron Bolt 74B-A9B、Kolibri-1 が挙げられ、FP8 E4M3 テンソル型と Gemma 4 E2B/E4B の prefill 関連作業も併せて取り込まれた。エンジン側の変更は不要であり、expert-ready-hook は依然として上流の tiled mul_mat_id 経路より前に発火し、CPU seam ファイルには FP8 E4M3 型のみが追加され、スケジューラの eval コールバック周辺には手を入れていない。パッチ規模は 30 ファイル、21 行の追加と 9 行の削除で、エンジン・アプリ・CHANGELOG のバージョンが 0.40.1 に揃った。
検証はコミットメッセージが明かしている範囲だけである。ホストテスト 41 件(overlap ゲートを含む)はすべて成功し、実際の 35B モデルで --auto が以前の固定状態と同じ greedy テキストをトークンあたり同じ CPU 時間で生成したという記録が 2 回の実行にわたってある。新アーキテクチャ一覧もタグが提供するという説明にとどまり、このエンジンで測定した結果ではない。スループットや速度の数値は提示されておらず、独立した測定ではなくプロジェクト側の報告である。新アーキテクチャが実際の品質と性能を発揮するかは、まだ判断が早い。