awslabs/cli-agent-orchestrator は、Claude Code、Kiro、Codex などの AI コーディング CLI をそれぞれ分離された tmux セッションに置き、まとめて統合するマルチエージェント・オーケストレーターである。2026-11-02 のコミット ab9bbaab は、一時的(ephemeral)エージェントに effort: "auto" を指定した場合、実行時に effort の値を外部の意思決定ポイント effort.route に問い合わせるようにした。コミットメッセージは、この effort パスを新機能(#1171)であると明かしている。変更規模は 6172 行の追加、265 行の削除である。
このパスが意思決定ポイントを呼ぶのは 3 箇所のみである。エージェントを claim した直後、bind する直前の時点、そして assign パスと 2 つの handoff パスである。effort を明示した場合も省略した場合も質問はしない。意思決定ポイントがオフ、または shadow モードのときは ephemeral.default_effort の値で実行し、オンのときは信頼できる回答のみを採用して [min_effort, max_effort] の区間に収め、その実行にだけ適用し、利用できない回答の場合は既定値にフォールバックする。合わせて ephemeral.min_effort の下限が導入された。明示された effort が下限より低い場合は effort_below_policy で拒否し、意思決定の回答は下限より上へ補正してから適用する。
同じコミットの CHANGELOG は、provider: "auto" と新しい意思決定ポイント provider.route("Which CLI should run this task?") を provisional として追加している。provider.route は既定でオフであり、現在提供されているプロバイダで有効な集合が 1 つも存在しないためルーティングは発生しないと記されている。これは動作する枠が準備された段階にすぎない。
effort 側のサポート範囲も狭い。effort を尊重すると明示されているプロバイダは Claude Code(ネイティブエージェントの外側)と Codex の 2 つだけで、残りのプロバイダでは質問せずに not_honored として記録される。auto は min_effort と max_effort の両方を要求し(auto_requires_bounds)、model と effort の両方が auto の場合は claim_lease_seconds を 2 * decisions.on_timeout_ms / 1000 + 30 以上にする必要がある。auto_requires_decision_platform による拒否はなくなった。記録には nullable カラムのセットが追加され、バックフィルなしでアップグレードされる。この組み合わせを実際の運用に入れるには、対応プロバイダと設定条件を確認しておく必要がある。