arm-software/computelibrary は、Arm CPU と Arm GPU を対象としたコンピュータビジョン・機械学習の低レベル関数の集まりである。C++ で書かれ、SIMD 演算によって Arm Cortex-A、Arm Neoverse、Arm Mali GPU の各アーキテクチャに合わせて最適化された関数を収録している。リポジトリの最新リリースは v53.3.1 である。
このリポジトリはモデルを設計するためのフレームワークではなく、その下側で実際に計算が行われる低レベル関数の集まりである。CPU と GPU の両方を対象に 100 以上の機械学習関数と複数の畳み込み(convolution)アルゴリズムを提供し、FP32・FP16・INT8・UINT8・BFLOAT16 のデータタイプに対応している。精度ごとに関数を選べる点は、メモリと演算量の要求が異なる環境で選択肢を広げる。アーキテクチャに合わせて構成できるビルドオプションと OpenCL チューナーも併せて提供する。README はこのプロジェクトが MIT ライセンスで公開されると明言している。2017 年 3 月に始まったリポジトリで、スターは 3196 個を集めている。
ただし確認すべき点もある。提供されたリリース情報には変更履歴がないため、v53.3.1 が何を変えたのかは分からない。最適化は Arm Cortex-A、Arm Neoverse、Arm Mali GPU を前提としているため、他の CPU や GPU 環境でどのような結果を得られるのかも分からない。MIT ライセンスという記述は README にあるが、リポジトリ情報のライセンス項目は空になっており、実際の適用条件は原文を確認する必要がある。性能の数値や比較対象は示されていないため、実際のワークロードでどれだけ速いのかの判断は早い。Arm ハードウェアを扱うならまず確認に値するリポジトリだが、汎用的な高速化ライブラリとして見ることは難しい。